マスクも良し悪し

以前はスギ花粉の時期によくお見かけしていたマスクですが、
新型コロナウイルス感染症が流行してからというもの、
各所でマスクを装着する方が見受けられるようになりましたね。
以前、「マスクをしておけばうつらないらしいわよ」と年配の女性に言われたことがありますが
本当にそうでしょうか?
ここでマスクを装着するメリットとデメリットを改めておさらいしてみましょう。

マスクをつけるメリット

1)飛沫の飛散を防ぐことができる

咳やくしゃみなどの症状がある場合や、
症状がなかったけどついくしゃみが出てしまった方がマスクを着けていた場合は
装着していない場合よりも飛沫の飛散を防ぐことができ、周囲に及ぼす影響を軽減できる効果があります。

2)口腔内を加湿できる

乾燥した空気のもとで活動しやすいウイルスについては、口腔内を加湿することで予防効果が出ると言われています。

3)飛沫を吸い込むことを軽減できる

至近距離で飛沫を浴びた場合に吸い込む量をある程度は軽減できます。
ただ、ほとんどの場合マスクに隙間があるため100%防ぐことは難しいです。
一般的にサージカルマスクと呼ばれているものでも、
ペラペラで鼻の横や頬、顎に隙間ができるものもあればN95のように息苦しくなる程に遮蔽性の高いものもありますので、
細菌濾過効率や微粒子濾過効率がどうなんだ、とまで考え始めるともうその辺で売ってるマスクにどの程度の予防効果があるんだということになってきます。
先日、電車内で布マスクを着けている方が思いきりくしゃみをしていましたが、
マスクの上から手をあてている訳でもないので、装着していないよりは飛散しないにせよ、飛散を防げてもない状態でもありましたね…。

マスクをつけるデメリット

1)マスク自体の清潔さを保ちにくい

医療機関では、感染エリアで一度着けたマスクはエリアの外に出るときに外して捨て、手洗いを行います。
しかしながら、日常において使い捨てマスクを使用している方でも、
一度の外出において装着の都度新しいものと交換している人はいないのではないでしょうか。
布マスクを使っている方もそうです。
頻繁に交換・洗浄が必要になりますし、マスクを触った手で他のものに触れたらそこはもう不潔とみなされます。

2)口呼吸になりやすい

メリットとして「口腔内を加湿できる」と挙げましたが、
マスク内が熱くなると鼻呼吸がしにくくなり口呼吸になりやすくなります。
口呼吸は鼻呼吸よりもウイルスや細菌をダイレクトに気道内に吸い込みやすくなるため、
感染のリスクが高くなります。

3)口腔内の環境が悪化しやすい

口呼吸を続けているとそれが癖になり、
歯周病や虫歯を悪化させたり歯並びや噛み合わせが悪くなることもわかってきています。
口呼吸は睡眠時無呼吸症候群との関連も指摘されていますので、
普段から口で呼吸している方や、朝起きたときに口腔内が乾燥している自覚のある方は特に注意が必要です。
鼻呼吸に戻していきましょう。
就寝時に口にテープを貼るのもお勧めです。

4)イライラや不安感などのストレスが増える

マスクをずっとしていると、口呼吸になるばかりか呼吸自体が浅くなりやすくなります。
呼吸が浅くなると交感神経が優位になり、イライラや不安感などが増えて抑えにくい状態になります。
血管にとってもストレスになるため、血圧の上昇にも繋がりやすくなります。
血圧が元々高めの方や、普段は正常範囲なのに健康診断など緊張下で高くなりやすい方は特に意識して適宜深呼吸することをお勧めします。
このように、
過密して人が多い屋内ではマスクを装着するメリットの方が高いですが、
誰とも話す訳でもなく一人で歩いている人が装着するのはデメリットの方が高くなるのではないでしょうか。真夏は特に…
まとめると
▪️飛沫を飛散させるのにはメリットがあるが、再利用するなら感染拡大の観点ではあまり意味がない
▪️口呼吸になりやすくなるので使用はほどほどに(特に屋外)
せっかく使うのであれば効果的かつ健康的な使い方をしていきたいですね。
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