脳力アップに役立つ栄養素とは?

脳力を上げるために意識したい栄養素

今回は脳力アップに役立つ栄養素をご紹介します。

①DHA

脳は脂質の割合が多い臓器です。
脳を構成する細胞には、神経を保護するために絶縁体が取り囲んでいる構造になっているため
細胞膜の割合が大きく、結果的にコレステロールやリン脂質などを多く含みます。

脳のリン脂質は、オメガ3系脂肪酸であるDHAやオメガ6のアラキドン酸などの
多価不飽和脂肪酸(PUFA)が多く含まれています。

そして脳の神経細胞は流動性が高まるほどその機能性が向上することがわかっています。
DHAは細胞膜の流動性を高めるため脳の神経細胞に多く存在しています。

また、DHAは神経幹細胞の増殖を促したり神経細胞に分化させたりするため
発達には欠かせません。

脳力を上げる理想のモーニングルーティンとは?でもお魚を取り上げましたが
体内時計を整えるだけでなく脳力を高めるのにも朝食で魚を食べるのは意味がありますね。

②野菜(食物繊維)

食物繊維というと、腸をきれいにしたりダイエットに役立つようなイメージがあるかもしれませんが
脳力アップにも良い働きをしてくれます。

食物繊維が腸内細菌によって発酵されると、酪酸などの短鎖脂肪酸が合成され
酪酸によって腸内環境も良好になり、その結果として脳の機能も向上します。

この腸と脳が常にやりとりする関係は「腸脳相関」と呼ばれています。

更にこの酪酸は一部が腸から吸収されて肝臓や脳などに送られ、
脳のエネルギー源となったり炎症を抑制してくれるなど良い働きを持っています。

③善玉菌

乳酸菌などのプロバイオティクスを摂り続けると
腸内環境が改善するだけでなく脳の機能も良好になることがわかっています。

味噌にも乳酸菌が含まれますし、糠漬けにも乳酸菌や酪酸菌が含まれますので
日本古来からの食品は腸活に役立つものばかりですね。

④ビタミンB群

ビタミンB群はチームで働くため複合的に摂ってもらいたいですが
中でも脳力アップに働くのはビタミンB6、葉酸、B12です。

脳の葉酸濃度は血液中の約6倍、B6は約30倍にも及びます。
また、脳神経で起こるDNAのメチル化という化学反応の制御にもこの3つは欠かせません。

<ビタミンB6を多く含む食材>
ニンニク、ピスタチオ、ごま、レバー、鶏ひき肉、鶏ささみ、鮭、海苔、アマランサス、サンマ、アジ、サバ、牛肉、大豆、するめ、バナナ、アボカドなど

<葉酸を多く含む食材>
レバー、海藻類(特に海苔)、豆類(特に納豆)、きのこ類、卵、味噌、いちご、アボカド、ほうれん草、菜の花、春菊、アスパラガス、煮干し、ホタテ、納豆、モロヘイヤ、サニーレタス、ブロッコリー、オクラ、切り干し大根など

<ビタミンB12を多く含む食材>
しじみ、あさり、レバー、煮干し、さんま、イワシ、いくら、すじこ、たらこなど

⑤レシチン(コリン)

レシチンという名前は卵黄から発見されたことにちなんで
ギリシャ語で卵黄を意味する「レシトス」に由来しています。

よって、レシチンは卵黄や大豆に多く含まれています。

レシチンの成分であるコリンは摂取して吸収されると脳まで届き、
神経伝達物質の一つであるアセチルコリンを作る材料にもなります。

ちなみにアルツハイマー型認知症ではアセチルコリンが減少することもわかっています。

⑥ミネラル(マグネシウム、亜鉛)

脳の神経伝達や調整にマグネシウムはとても重要です。
また、神経細胞死にも繋がる脳の興奮毒性から保護する働きも持っています。

亜鉛は神経細胞の成長や増殖に働くだけでなく
神経細胞の新生を増加させることもわかっています。

子どもの調査でも亜鉛が不足していると学習能力の低下や精神発達の遅れが見られることがわかっています。

⑦フラボノイド

フラボノイドとは植物に含まれるポリフェノールの一種です。

血液脳関門を通過して海馬や大脳皮質、小脳などの
学習と記憶に不可欠な脳領域に局在していることがわかっています。

脳は酸化ストレスや炎症に対して弱いのに対して
フラボノイドは神経を保護する効果を持つと考えられています。

特にアントシアニンを多く含むブルーベリーでは認知機能の改善が、
カテキンを多く含む緑茶では記憶力の改善が見られたという報告もあります。

つまり和食がお勧めというお話

やはりお勧めなのは和食、特に具沢山のお味噌汁です!

色々な食品を日頃から摂るようにして脳力アップしていきたいですね。

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